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特定非営利活動法人 日本こころのカウンセリング協会です。

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不登校の概要school refusal

1. 不登校の定義
     「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない
    あるいはしたくとも出来ない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気
    や経済的な理由による者を除いた者」となっています。



2. 中学校の卒業者   平成22年度の文部科学省の統計値

         高等学校進学率   98.2 %    (愛知県 97.5 %)
    専修学校進学率    0.2 %     (愛知県 0.2%)
    就職率        0.4 %     (愛知県  0.7%)



3. 高校の卒業者    平成22年度の文部科学省の統計値
    
大学進学率     54.4 %    (愛知県 58.9 %)
    専修学校進学率   16.0 %     (愛知県 12.3%)
    就職率       15.9 %     (愛知県 17.1%)


4. 不登校のデータ    平成22年度の文部科学省の統計値
    全国  : 小学校 22463人 + 中学校97255人 → 119718人
    
愛知県 :  小学校 1676 人 + 中学校6211 人 →  7887人
    小学校の不登校率: 0.385 % 
    中学校の不登校率: 2.878 % 
    高校の不登校率 : 1.56 %
    (全国:病気での欠席者:小学校19611 人+中学校16769人 → 36380人)
    不登校の開始時期 : 9月、3月、5月(長期の休日明けが多い)


5. 不登校の原因
    学校生活上の影響 : いじめや学業不振による不登校
    遊び・非行    : 遊ぶためや非行グループに入ったりして登校しない
    無気力      : 受験や塾通いなどに疲れてしまった・入試の失敗や不本意入学による挫折
    不安など情緒的混乱: 成績優秀児による強迫的な不安(成績が下がること)
    家庭の様々な問題 : 両親の不仲・離婚・DV・虐待・親の種々の依存症、親の精神病 等
    意図的な拒否   : 学校に行く意義を認めず、自分の好きな方向を選んで登校しない
    複合       : 理由が上記具体例と複合していずれが主であるかを決めがたい


6. 不登校の症状
   登校すること自体、特定な行事や教科と症状に関連性が予測される。
    (朝学校に行く前、夜遅くに調子悪くなる。体育のある日は調子が悪い。給食の前に保健室に
     行く。など)
   学校に行かなくてもよい状況では調子が良くなる。
     (土日曜日、長期休暇中(夏休み、冬休み、春休みなど)は比較的調子がよい。日中、学校に
     もう行かなくても良いとわかると調子が良くなる。)
   心身症的な訴えの場合、症状には一定の特徴がある。
    (症状の部位と程度に変動性があることがある。 訴えのわりに重症感がないこともある。 理
     学的所見と症状があわないこともある。など)
   もともと慢性疾患を合併していても症状の悪化、改善に学校状況の関与が疑われる。
   症状の出現の前に、学校で今まではしていなかった役割についた。
    (学級委員、クラブの部長、生徒会など)


7. 不登校支援の諸段階
  1)出会い・評価段階          : 家族支援(当事者への家族療法)
  2)個人的支援段階           : 個人療法・家族支援
  3)中間的・過渡的な集団との再会段階  : 集団療法・居場所の提供・個人療法(家族支援)
  4)社会参加の試行段階         : 就労支援・集団療法・居場所の提供




8. 家族への支援 (家族面接の意義と目的)
  1)引きこもりの子供を持つ親の苦悩が受容された体験を得る。
  2)家族面接を通じて当事者への影響が期待できる。
  3)親が共同支援者としての冷静さと意欲を持つことが出来る

  4)両親間の協力関係が構築される。


9. 不登校の対応 
  ・ゆっくり休息して、エネルギーを充電しましょう。
    不登校の生徒は、「ゆっくり安心して眠る」「食べる」もできていない時があります。そんな
    ときには、学校に登校することを目標にするのではなく、まず疲れているココロとからだを癒
    して、エネルギーを充電することが必要です。
  ・好きなことを見つけてパワーアップしよう。
    好きなことをやっていると、夢中になって時間を忘れてしまいます。好きなことをやっている
    と元気がわいてきます。ゲームだけでなく、絵を描く、音楽を聴く、楽器を演奏する、スポー
    ツを観戦する等、自分が楽しめるもの、夢中になれるものをみつけましょう。
  ・居場所をみつけよう
    自主的に登校できるまで待つことが基本ですが、ただ何もしないで待っているのではなく、子
    どもの状態に応じて、積極的に働きかけることや関わりをもつこともとても重要になってきま
    す。自分の生き方や進路など、将来の社会的な自立に向けてサポートしていく。
  ・原因探しより、どう寄り添うか

    原因を考えて、対処の方法を考えるのも大事ですが、それよりも、その子の「つらさ」、「苦
    しさ」を理解し、どう寄り添ってあげるかが?どう解決に導いてあげるか?が大切なことでは
    ないでしょうか?個々の状態に応じた丁寧な対応が何よりも大切です。



10. 訪問支援(アウトリーチ型支援)
   1)当事者の心身の状態が悪化し、あるいは不安定となり、生じている事態の正確な評価、自他の
     生命の危険性(自傷他害を含む)、安全性の検討が必要とされるとき。
   2)当事者に精神医学的な観点から見た病的なエピソードがあり、受療の必要性についての判断や
     精神医学的な判断が、家族や関係機関から求められるとき。
   3)家族自身が重大な健康問題を抱えている、または家族機能不全を起こしており、支援者が直接
     当事者に会って、状況確認や支援方針を見定める必要性が高いと判断したとき。

   4)家族や関係機関との相談を継続していく中で、支援者が訪問することを当事者が納得する、あ
     るいは希望するとき。
  

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