本文へスキップ

特定非営利活動法人 日本こころのカウンセリング協会です。

メールでのご予約・お問い合わせは
visit@cajh.org

ひきこもりの概要social withdrawal

1. 引きこもりの定義
    様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家
   庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ケ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続
   けている状態(他 者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す概念である。な
   お、ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状
   態とは一線を画した非精神病性の現象とするが、実際には確定診断がなされる前の統合
   失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである。 


2. ニートの定義
    
高校や大学に通学しておらず、独身であり、ふだん収入になる仕事をしていな15歳以上35
    歳未満の個人(予備校や専門学校などに通学しているものも除く)



3. 引きこもりの出現率
    引きこもりの平均開始年齢は22.3歳。
    生涯有病率は1.2%。(全国で推定
255510世帯にいます)
    愛知県:
15500世帯


4. 引きこもりの段階
    1)準備段階
        特徴 → 身体症状や精神症状や問題行動などの一般的症状が前景に立つ時期。
        対応 → 顕在化した症状のケアなどを通じて子供の心の訴えに耳を傾け対処すべき。
    2)開始段階
        特徴 → 身体症状や精神症状や問題行動などの一般的症状が前景に立つ時期。
        対応 → 顕在化した症状のケアなどを通じて子供の心の訴えに耳を傾け対処すべき。
    3)引きこもり段階
        特徴 → 回避と退行が前景に出て、葛藤は刺激されなければ目立たない。徐々に回復し
             ていく場合もあるため、焦りに基づく対応は避ける。しかし、何の変化もみら
             れないまま遷延化する兆候が見えたら積極的な関与も考慮すべき時期。
        対応 → 焦らずに見守る、性急な社会復帰の要求は避ける、家族の不安を支える、適切
             な治療・支援との出会いに配慮が必要。
    4)社会との再会段階
         特徴 → 試行錯誤しながら外界(多くは中間的・過渡的な場)との接触が生じ、活動が
            始まる時期。
         対応 → 子供の変化に一喜一憂せずに安定した関わりを心がける。
            家族が焦って登校刺激や外出刺激を行う傾向がある


5. 引きこもり支援の諸段階
    1)出会い・評価段階 : 家族支援(当事者への家族療法)
    2)個人的支援段階  : 個人療法・家族支援
    3)中間的・過渡的な集団との再会段階 :集団療法・居場所の提供・個人療法(家族支援)
    4)社会参加の試行段階 :就労支援・集団療法・居場所の提供(個人療法)


6. 家族支援の諸段階(家族面接の意義と目的)
    1)引きこもりの子供を持つ親の苦悩が受容された体験を得る。
    2)家族面接を通じて当事者への影響が期待できる。
      3)親が共同支援者としての冷静さと意欲を持つことが出来る。
    4)両親間の協力関係が構築される


7. 訪問支援(アウトリーチ型支援)
    1)当事者の心身の状態が悪化し、あるいは不安定となり、生じている事態の正確な評価、自
      他の生命の危険性(自傷他害を含む)、安全性の検討が必要とされるとき。
    2)当事者に精神医学的な観点から見た病的なエピソードがあり、受療の必要性についての判
      断や精神医学的な判断が、家族や関係機関から求められるとき。
    3)家族自身が重大な健康問題を抱えている、または家族機能不全を起こしており、支援者が直
        接当事者に会って、状況確認や支援方針を見定める必要性が高いと判断したとき。
      4)家族や関係機関との相談を継続していく中で、支援者が訪問することを当事者が納得する
      、あるいは希望するとき。


8. 訪問実施前の準備段階で検討すべきこと

   「訪問者の安全が、確保されていることが重要
     1)情報の収集とそれを通じた関係づくりを行うこと。
     2)訪問の達成目標を明確に設定しておくこと。
     3)訪問することを事前に家族や当事者に伝えること。
     4)訪問の適切なセッチングを工夫すること。
     5)関係機関との情報交換。



9. 訪問実施前の準備段階で検討すべきこと
    1)事前の情報収集とその評価や、当事者の了解を得ることなど事前準備には家族の協力が必
      須です。
    2)当事者への予告なしの訪問が契機となって、引きこもりがひどくなったり、家庭内暴力が
      悪化したりといった結果も起こり得ることを、支援者は理解していなければならない。
    3)訪問が実際にどのような形となり、どのような支援が可能かを出来るだけ具体的な表現で
      伝える。


10. 訪問支援の着地点(ゴール)
     訪問支援が目指すゴール、すなわち着地点は、精神科医療が必要と判断される事例には速やか
    に治療が開始されることであり、ひとまず精神科医療が不要と判断される事例には当事者の参加
    活動への可能性を拡げるための支援を提供する地域の社会資源に繋がることです。
    医療以外の生活支援や学校復帰ないし就労支援ないし就労を支援する専門機関に繋がること
   ゴールの一つと出来る柔軟さを持っている必要があります。訪問を重ねる中で暴力行為、自傷・
   自殺の危険性、不適応的な問題行動、犯罪性などに改善がみられた、家族以外の人間関係を持つ
   ようになったなど、学校復帰や就労には至らなくてもる程度の社会参加が生じるということもあ
   ります。いずれにしても、訪問支援は引きこもり当事者とその家族の生活の質(QOL)が改善す
   ることをゴールとして目指している支援ですから、かくあるべきといった画一的なゴールを設定
   すべきではありません。その人それぞれの生活や生き方に合わせた着地点をゴールとして目指す
   ためにも、経過の中で当事者、家族、訪問支援者の三者で繰り返しこの点について話し合います。

   

このページの先頭へ

非営利活動法人 日本カウンセリング協会








 〒491-0353
愛知県一宮市萩原町萩原上町87
SunHouse197
TEL 070-5409-7530